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セミナー・トークセッション

Z世代が見るライブ配信の未来と、現実を超えたバーチャル技術について

国内でのメジャーアーティストのライブ配信といえば、1995年に開催された坂本龍一のツアーライブである。そこから27年が経ち、現在は多くのアーティストがライブ配信を積極的に行うようになった。10Mbps、4K、ロスレスオーディオ、技術は進歩し、汗一滴や吐息も細かく見えるようになったが、オンラインのライブ配信ならではの良さがあるはずなのに、それを感じることは出来ない。オンラインのライブ配信がリアルライブの下位互換で終わってしまうのはリアルと配信を同一視しているからである。配信単体で考えたときに従来表現出来なかったことがバーチャルで再現できるようになり、国境を跨いだ遠隔地を繋ぐ配信も実現できるようになった。これから先、ライブ配信がどのように進化していくのか注目していきたい。

バーチャルな表現として、コロナ以前よりPerfumeをはじめとするいくつかのアーティストでは、ライブ配信に映像表現を加え、非現実的な世界を表現してきた。また、バーチャル・ライバーのライブでは、ボリュメトリックキャプチャにより、本当に目の前にいるかのような表現が出来るようになった。クラシックの世界では、ニューヨークと東京の交響楽団をインターネット回線で繋ぎ、地理的にも離れているのにも関わらず、配信上では同じ空間で演奏する取り組みも出てきた。
メリットは表現だけではない。配信ライブとはいえ、それなりの会場を借りて、撮影機材やスタッフ含めると、一回のライブでも費用が馬鹿にならない。会場の予約は開催日よりかなり前に抑える必要があり、準備工程、段取りの確認は非常に手間である。しかし、配信ライブであれば、グリーンバックのスタジオさえあれば、映像表現は後からいくらでも付け足すことが出来る。物理的な制約がないからこそ、表現の幅は無限大である。
無論、バーチャルな体験がこのまま普及していくのかというと、リアルな体験には勝てないであろう。リアルな体験は今後も増え続ける中で、今後どのように棲み分けしていくのかは注目される部分である。

本講演の登壇者は、1996年に生まれ、ライブ配信の27年間とほぼ同じ年月を歩んできた。大学時代の話題はテレビ番組よりもYouTubeや配信サービスの動画コンテンツの話題が多かった。地方に住んでいたこともあり、リアルなライブは上京するまではなかなか行きづらかった中、配信ライブを通じて、日常の中で感動を味わってきた。リアルと配信の両方を体験し、その中でも今後のライブ配信に懸ける熱意と、テクノロジーがライブ配信とどのように関わっていくのかについて、「クリエイティブとテクノロジー」両面の視点から解説していく。

開催日時・会場

11月27日(日)11:00〜11:50
【メイン会場】アミコビル9F「とくぎんトモニプラザ(徳島県青少年センター)」
 

講演者・出演者

占部 竣平
NAXA株式会社
代表取締役
東京都江戸川区生まれ、福岡育ち。幼少期よりPC、ガジェットに興味を持ち、これまでに10サービス以上の動画/ライブ配信サービスの企画、設計、開発業務に従事。その後、TV局や動画プラットフォームの技術支援を中心にエンタメ業界の革新に向けたプロジェクトを複数展開。
中村 将也
NAXA株式会社
取締役
早稲田大学卒業後、大手SIerにてリクルート向けの企画営業、新規事業企画に従事した後、日系コンサルファームにて新規事業開発、オープンイノベーションプロジェクトに複数参画。その後はタクシーや屋外広告、配信サービスなど、メディア/エンタメ領域のデジタル化、イノベーションを目指し、活動している。

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